2008年7月19日〜21日、屋久島を縦走しました。

屋久島縦走 照葉樹林、巨大杉、枯存木、高層湿原、巨岩・奇岩そして、存在感たっぷりの縄文杉と出会う屋久島銀座コース。  
コース時間(休憩・食事時間を含む実際の時間) 2008年7月19日〜21日
 7月19日 紀元杉(14:20)……淀川登山口(15:15)……淀川小屋(16:00)
                    
 7月20日 淀川小屋(5:25)……花之江河(7:05)……宮之浦岳(10:05)……永田岳(11:30)……新高塚小屋(15:00?)
                           
 7月21日 新高塚小屋(4:30)……縄文杉(5:25)……大株歩道入口(7:35)……荒川登山口(11:05)
           
※全行程、休憩時間をたっぷりとっています
特徴
海岸線に広がる亜熱帯特有の照葉樹林、中腹から山頂にかけての巨大杉、稜線で多く観られる枯存木、高層湿原の(小)花之江河、山頂を覆うヤクザサ、そして、存在感たっぷりの縄文杉。様々な顔を見せてくれる。ただ、低山なため暑い!!ことを忘れずに!!
本山行は私の属する山岳会(宇部小野田勤労者山岳会やまびこ)のメンバーと。メンバー5人(男3名、女2名)。みんなの行いがよかったからだろう。山中の3日間、一度も雨に遭わなかった。淀川小屋、新高塚小屋と二泊したが、どちらも小屋に入れた。混雑を予想し幕営の準備もしていたが、その必要もなかった。
距離がある程度あるため歩行時間はそれなりにかかるが、危険箇所もなく、高低差もなく、ハイキングコース。
永田岳は山容、山頂の岩場、ともに宮之浦岳より魅力的。
平成20年7月時点の状況
水場
・水場は豊富だが、宮之浦岳〜新高塚小屋間は無い。ただし、
焼野三叉路から永田岳方面に15分ほど下った地点にある。
避難小屋
淀川小屋(40名・木造・1,380m)
・新高塚小屋(40名・木造・1,460m)
高塚小屋(20名・ブロック造・1,330m)←(旧)高塚小屋も十分使える。水場は歩いて3分の縄文杉の下。
※避難小屋は無料だが、無人小屋のため、当然自炊設備も電話もない。しかし、水場あり。どこも私には煮沸する必要を感じなかった……。汚いが、トイレもある。(旧)高塚小屋の幽霊の噂は有名?だが、興味のある人は、是非お泊まりください(笑)。
登山道
世界遺産登録後、環境庁/鹿児島県の施設整備予算はほとんど登山道の整備に向けられた。淀川〜宮之浦岳間、縄文杉〜大株歩道入口間の木道や階段など驚くべきほど整備されている。
島への交通
高速船トッピーが安い!平成19年12月1日〜当分の間。



7月19日 紀元杉〜淀川小屋



紀元杉

安房よりバスで終着点の紀元杉まで行く。
3度目の屋久島だが紀元杉は初めて見た。樹齢1000年以上のものをヤクスギというが、紀元杉は樹齢約3000年。凄い存在感だ。


紀元杉そばの水場
冷たく透明な感じで、のどをすうっと抜ける。
実にうまい!

 
淀川登山口
 紀元杉から淀川(よどごう)登山口へ。強い日差しが頭を射る。しかし、標高1300m程度あるので下界より7℃ほど、少し涼しい。
約30分ほどで淀川登山口。6年ほど前、カミさんを連れてきた登山口だ。宮之浦岳までは同じコースを行く。


淀川小屋
登山口より少し登り、そして下る。
モミ、ツガ、ヤクスギ、風倒木につくシャクナゲを見ながら約40分で淀川小屋


 淀川小屋は運よく空いていたので、寝場所を確保した後、のんびり夕食準備。Oさん、Nさんが中心になり野菜のしっかり入った冷やしうどんを作る。茹で上がったうどんを清流で笊に入れて冷やす。超贅沢な食事だ。水は冷たく豊富。とてもうまかった。


淀川の色が美しい。私の好きな風景の一つだ。



7月20日 宮之浦岳、永田岳、そして新高塚小屋へ


小花之江河
翌朝、ホットレモンとパンを食べ、6時前に出発。
倒木やヤクスギに着生するシャクナゲ、矮性化したヤクスギを見ながら1時間少し。ミズゴケの生えた小花之江河(こはなのえごう)に着く。


Fさん


自然の庭園





小花之江河からひと山越すと十五分で花之江河。

標高1600mの花之江河は枯存木に囲まれた高層湿原。


花之江河


奇岩、巨岩が多い。この岩はもちろん「モアイ像」?


黒味岳の東山腹をトラバースする。花崗岩の石屑の道はどこでも水が得られる。
この辺りからガスってくる。雨にならないので良し!
栗生岳に近づくとまた明るくなってきた。巨岩の多い屋久島。


栗生岳の巨岩に立つ(Fさんの写真から)
栗生岳山頂を裏側にまわり巨岩の上に立つ。Fさんに撮ってもらいました。
風が気持ちよい。本当に屋久島には巨岩が多い。
Mさん曰く、「屋久島の花崗岩の正長石は大きいので、手がかり、足がかりが得やすそう!!」
実際、正長石は20mm×30mmくらいの長方形の結晶もざらであった。


宮之浦岳山頂(1935m)


人の多い九州最高峰の宮之浦岳山頂をさっと過ぎ、
焼野三叉路に荷物を置き、空身で永田岳に向かう。


永田岳と焼野三叉路の間の凹部に水場がある。


少しバテながら永田岳の山頂に着く。
宮之浦岳より50m低いだけなのだが、ここを訪れる人は少ない。
素晴らしい巨岩の群れ、眺望。
永田海岸の蒼い海、白い砂浜を見ることができた。

永田岳山頂の岩場


永田岳を下山しながら前を見ると、ガスが消え、宮之浦岳がくっきり見えた。



後ろを振り返ると、永田岳がデーンと見えた。


永田岳より約3時間半でこの日の宿泊地、新高塚小屋。途中、ヤクシカやヤクザルに会うことができた。
「サル二万、シカ二万、人二万」と言われるとおりだ。
新高塚小屋も何とか小屋の中に泊まることができ、テントを張らずに済んだ。
水場も煮沸する必要はなかった(と、私は思う)。野菜のたっぷり入ったカレーを鱈腹食べた。
7月21日 縄文杉、そして荒川登山口へ


縄文杉(Fさんの写真から)
朝、4時半頃出発し縄文杉へ。5:25着。
三十数年前に訪れた縄文杉。ものすごく整備され近づくことはできないが、その年齢を超えた存在感はやはり独特だ。
幹周:16.1m 。樹高:30m 。


5:45の縄文杉
“周囲の樹木の年輪測定、幹周の大きさなどから当初、樹齢7,000年以上と推定され話題になった。しかし、その後の調査で古木の周囲を3本程度の若い木が融合して包み込んでいる合体木である可能性が浮上し、外側の若い木の部分の年代測定では樹齢約2,700年と判定された(芯部の古木は樹体保護のため未調査)。ただし、鹿児島大学農学部が縄文杉のパーオキシダーゼをアイソザイム分析した結果、縄文杉は合体木ではなく一つの木であることが証明されている。”(wikipediaから)
 諸説はあるが、この圧倒的な風貌は古老の哲学者のようだ。私はやはり大好きだ。冬にもう一度来てみたい。雪を被った哲学者のもう一つの顔を見てみたい。


ウイルソン株、三代杉を経由し、軌道を歩き、荒川登山口に着いた。