2008年5月4日、残雪期の仙丈ヶ岳に登った。

GWの仙丈ヶ岳(小仙丈ヶ岳) 残雪期の北岳の展望台。危険度の少ない小仙丈岳周辺の美しいパノラマ。 
コース時間(休憩・食事時間を含む実際の時間) 2008年5月4日
 5月4日 長衛荘・・・・・・大滝ノ頭・・・・・・小仙丈ヶ岳・・・・・・A地点・・・・・・B地点・・・・・・小仙丈ヶ岳・・・・・・長衛荘
          6:25      8:25    9:55休10:30   11:10  11:30   12:15休13:10  16:05   
               
特徴
・このコースは雪量があり展望が良く、特に危険箇所もなく夫婦登山にお勧めの山です。特に北岳の姿が美しい。小屋(長衛荘)泊まり、あるいはテン場から一日目に甲斐駒ヶ岳、二日目に仙丈ヶ岳に登るパターンが多いです。それなりの体力と日程調整が必要です。今回は、今年正月の甲斐駒登山のリベンジを考えていましたが、特に私の腰痛にまだ心配があり、仙丈ヶ岳のみ登りました。結果的にはカミさんの体調が悪く、残り30分のところ(コース図B地点)で引き返しました。しかし、カミさんのおかげで楽しく登れることができました。長衛荘に連泊。
・南アルプス林道バスが夏期は戸台口から北沢峠まで運行しますが(
今年は歌宿〜北沢峠間の道路が一部大きく崩れており復旧するかどうか不明)、4月25日〜6月14日までは歌宿(うたじゅく)まで運行。そのため、GWの登山は北沢峠まで車道を6・3キロを歩くことから始まります。ちょうどいい足慣らしになります。
・GWの仙丈岳登山の時間について。中高年登山者の場合、休憩時間を含め上り5時間半、下り3時間半、9時間は考えておいた方がいいでしょう。特に、大滝ノ頭〜小仙丈ヶ岳は休み休み1時間半。また、小仙丈ヶ岳〜仙丈ヶ岳間は、上り1時間半、下り1時間(
私たちは今回山頂まで行かなかったので他の登山グループの意見より)。つまり、その日のうちに帰られる方は、午後2時には北沢峠まで下らないと、歌宿発の最終便(午後4時15分)バスに乗り遅れます。ということは北沢峠を朝5時には出発すべきです。
2009年5月3日、カミさんと仙丈ヶ岳登頂しました。その時の様子はこちら
歌宿から北沢峠までの車道歩き(黄色線ルート)


北沢峠周辺地図
コース図



5月3日 戸台口〜歌宿〜北沢峠


南アルプス林道バス戸台口」バス停。
我々二人だけだった。
次の「仙流荘」で多くの登山者がバスに乗った。
仙流荘には駐車場がある。そこまでマイカーで行ける。


歌宿。標高1680m。背後の鋸岳が魅力的。


平右ヱ門沢 
 歌宿から2キロほど離れた平右ヱ門沢は雪崩の危険があり注意。

歌宿から北沢峠(長衛荘)までの車道は除雪されている。

 
長衛荘
 ここまでは除雪されている。歌宿から1時間45分後、16:45長衛荘につく。
最終バスに乗ってきた客のため主人(小松さん)が待っていてくれた。
長衛荘は完全予約制。17:00過ぎ夕食。


屋根から落ちた雪


長衛荘にて予定通り、児童文学作家の三輪裕子さんにお会いする。明日早く出発し、最終バスで仙流荘泊まりという。お元気だ。
5月4日 仙丈岳へ


一合目付近
長衛荘(2033m?)そばの尾根にとりつき、ジグザグに登る。
途中から先行者のしっかりしたトレースにあう。


シラビソ等針葉樹林帯の急登


先行者の激しいトレース


大滝ノ頭の100mほど下の渋いところ。雪が多く、樹林帯なのにやせ尾根状態になっている。
下山時、注意しないとな……と思った。
(予想通り、下山時、先行者の一人が滑落。別のパーティーのガイドにザイルで引き上げられる。
奇跡的に怪我が無くよかった)


小仙丈ヶ岳が近くに見えてきた。

登り初めて2時間。
小広場の大滝の頭分岐点に着く。
ここまで予定通りの時間。カミさんの体調も良好。


小仙丈ヶ岳をめざす!!
樹林帯は背が低くまばらになり、強い日差しをもろに浴びる。


遠くに雷鳥
ダケカンバのそばで遊ぶ雷鳥


アイゼンをつけ、小仙丈への尾根を登る。このあたりからカミさんのペースが落ちる。


小仙丈への最後の登り


背後に甲斐駒ヶ岳。甲斐駒だけ、ずぅーと雲に覆われていた。
下山後、登っていた登山者の話を聞くと、やはり展望がきかなかったとのこと


最後の一踏ん張り!頑張れカミさん!!



登山口を出発し、約3時間半。小仙丈ヶ岳(2855m)
ここで一挙に展望が開ける!!ここまで風が強かったが、この後一気に風が落ちる。

(しかし、ここでカミさんダウン。高山病のような症状。足腰に疲れはないが、窒息感、吐き気。
実際、ここで体内のものを全て嘔吐。……うーーん!?これからどうするか)


仙丈ヶ岳がデーンと見えた。
(嘔吐したら少し調子がよくなったという。35分の大休憩後、出発。この大休憩がかえってよくなかったかもしれない)


動画
仙丈岳に向かうカミさんと仙丈岳、カール、その左の北岳








小仙丈からいったん大きく下り、そこからしばらくしてカミさん断念(A地点)。
「ここで待っているから仙丈ピークに行ってきて!」という。……少し迷うが、一人で行くことにする。
「調子戻ったら、小仙丈にゆっくり戻っておいて」と言い、私一人登る。


約20分後(B地点)、下を見るとカミさんのピンクのヤッケが完全に横になっている!?(右写真:ズーム写真)
まさか意識無くなったんじゃないだろうな!心配になり下山。
下に降りると、寝ていた!!ホッ。……しかし、下山することにした。
動画
甲斐駒ヶ岳を見ると、風が強く、まるでエベレストのようだった。





A地点から北岳がくっきりと見えた。その左に富士も顔をのぞかせる。
その後、小仙丈岳で再び大休憩し、下山。

降りれば降りるほど、カミさんは元気になっていった。下りに弱い私はどんどん遅れていった。