秋の西穂高岳 穂高連峰の中で最も短時間で登れる雲上の楽園
コース時間(休憩・食事時間を含む実際の時間) 2006年9月23日
(前日)西穂高口・・・・・・西穂山荘(赤い雲上に浮かぶ笠ヶ岳を楽しむ)
     15:30     16:30
  西穂山荘・・・・・・独標・・・・・・ピラミッドピーク・・・・・・西穂高岳・・・・・・
西穂山荘・・・・・西穂高口
  
6:25      7:10      7:45           8:25      10:30     11:30      
特徴
○今回の山行は、冬の西穂独標(2701m)登山の下見でした。独標までなら問題ありません。カミさんを連れて行きたいと思います。大昔、若かりし日に、奥穂から西穂に縦走したことがあります。西穂から独標間も気をつけるところがあったと思いますが、積雪期でなければ問題ありません。とはいえ積雪期は、独標までにします。痩せた岩稜が少し続きます。
○西穂高岳の魅力は主に二つ。
・新穂高温泉から二つのロープウェイを乗り継いで西穂高口の駅に降りれば、もう標高2156mの世界。すでに雲上です。山口県の私が一泊二日で行ける穂高連峰の一角です。
・二つ目は西穂高岳からの展望です。独標から西穂高岳までの幾つもの痩せた岩稜を乗り越えるのは、少しだけスリリングです(奥穂〜西穂のコースとは比べようもありません……)が、その先の西穂高岳からの展望、槍ヶ岳、間ノ岳、ジャンダルムの迫力はたまりません。
○ただ、秋の週末は、ロープウェーが殺人的に混みます。ですから前日夕方(ロープウェーは空いています)に西穂高口に着き、西穂山荘に泊まる。次の日早朝から西穂高岳を往復し、午前中の十一時頃には西穂高口からロープウェーに。観光客が殺到する前に帰る。時間はもったいないですが、これが秘訣です。私も、その日の内に山口県まで帰りました。
冬の西穂丸山はこちら。(2007年2月)
ルート図





新穂高は曇り。しかし、第二ロープウェイが標高2000mを越える辺りから雲を抜ける。
錫杖岳が姿を見せる。


海抜2150mの西穂高口につくと、観光客ばかり。食堂、売店、トイレがある。
西穂高口の園地(短い散策路)は平坦だが、小鍋谷からの登山道を合流させてから一気に登っていく。



ダケカンバが美しい。
森林限界の西穂山荘が見えてきた 
西穂高口から約一時間。


小屋の裏手に行く。シラビソ、オオシラビソの背後に、すごい雲海が広がっていた。


雲海と笠ヶ岳(右) 
秋の空と雲海は美しい。さらに夕陽が沈む。



 山荘から15分程登り、“丸山”と呼ばれるなだらかな丘陵地帯に行く。
夕陽が目にしみる。心が洗われる。かつて僧侶がこぞって高い頂を求めて入った心境が分かるような気がする。
左下の登山者のシルエットが効果的?
17:50。……来てよかった。
 


明日登る西穂高岳(左奥)が赤く染まる。





18:06の世界
 

山の壁紙はこちら


約80人の宿泊で、ゆったり静かに眠る。
五〜六人の登山仲間と話した。
……20歳代から60歳代まで。
初心者から奥穂を目指す熟練者までが集まる小屋。


6:25山荘を出る。
朝食が六時のため、遅いスタートとなった。


小屋の南西側に見えるのは焼岳と乗鞍岳


冷たい空気は気持ちよい。
緑の濃いハイマツ帯の中を行く。


いわゆるガレ場をいく。


独標が見えてきた。
私より早く出た登山者の姿が見える。
この独標までは危険箇所全くなし。
今年のクリスマス登山でカミさんを連れてきたい。
といっても最後の登りは雪質によっては注意。
この独標の頂上は岩がごろごろしている。
周囲は絶壁。

この独標が西穂登山の最初のピーク。
そして本来の穂高縦走の始まり。

1967年8月1日、この独標で登山史上、最大規模の落雷事故があった。
松本深志高校落雷遭難だ。60人の集団登山。
西穂からの下山中、この独標で13時50分頃、被雷。
九人が雷撃死、二人が雷撃ショックで転落死。
さらに十人が重軽傷を負った。

雷の多いところだ。要注意!
逃げるところはない。



独標にて。右端は笠ヶ岳。


これから登る小さな起伏が続く岩稜地帯。でも楽しい縦走路です(暑くなければ……下山時は暑く、いやでした)。
左の三角錐の形がピラミッドピーク。道はしっかりしている。


ピラミッドピーク


こうした登り下りが続く。冬場だと雪庇ができそうなところが続きます。


山頂直下で振り返る


小さなピークを越えながら約二時間、西穂高岳山頂が見えてきました。
急なガレ場が続きます。

西穂高山頂。
私の左手そばのとがった頂が槍ヶ岳。




山頂からの120度パノラマ。
左奥にはようやく槍ヶ岳が姿を見せる。
正面には間ノ岳やジャンダルムが素晴らしい迫力で聳え、岳沢を抱いた前穂高岳(右端)も素晴らしい。
動画
西穂高岳山頂からの180度パノラマムービー等




 振り返ると左側より霞沢岳。その麓には帝国ホテルや大正池などの上高地の展望。後方には焼岳・乗鞍岳。
右中央の赤い屋根が西穂山荘です。
この先は、一般の方には紹介しません。下の写真。
重なっているため見にくいです。距離的には短く、二〜三時間で行けそうですが、たっぷり七時間以上はかかります。
油断したら滑落し、……です。日本では究極の一般縦走路です。
熟練者の方もバランス感覚が鈍ってきた方は避けた方がよいと思います。

 
間ノ岳、ジャンダルム、奥穂高岳。    熟練者コース。


    熟練者コースのアップ。


もうすぐ紅葉!左に少し見えるのが大正池。
西穂独標までなら、どなたでも!
西穂までなら経験者と。
(奥穂までならちゃんとしたガイドと)
やはり穂高連峰は日本を代表する山です。

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