冬の西穂/丸山 短時間で容易に冬の北アを感じることができる山
コース時間(休憩・食事時間を含む実際の時間) 2007年2月12日
(前日)西穂高口(11:30〜西穂山荘(12:45:ホワイトアウトのため停滞、ずっーと酒浸り)
  西穂山荘(7:40)〜丸山上部(8:10:2500m)西穂山荘(8:35〜8:55)再び)丸山(9:10:2452m)〜西穂高口(10:30)
                                                
特徴
○この山行計画はカミさんを連れて行くためのものでした。しかし、カミさんの足の調子が悪く、私一人で行きました。本来「夫婦の山」に載せるべき内容です。
○冬の西穂丸山の魅力は主に二つ。
西穂山荘は北アルプスで一年中営業している唯一の小屋。北ア冬季登山の入門にぴったりです。おまけに新穂高ロープウェーも通年営業している(強風の時は運行を中止します)ため、冬季でもロープウェイ終着点、西穂高口から山荘まではしっかりしたトレースがあれば1時間少しで行けます。もちろん大雪の後はラッセルが必要なこともあります(2〜3時間かかることもあります)。しかし、普通の降雪の場合、樹林帯の中の登山道のため容易に山荘まで行けます。西穂山荘の方が、冬季登山道に赤い標識を設置してくれています。
山荘から15分ほどでなだらかな丘陵、丸山に行けます。天候が良ければ最高の景観が望めます。
 アイゼンに慣れた方なら、(天候が良く、雪の状態も良ければ)独標までも可です。しかし、今回のように強風の場合、丸山で引き返しましょう。山荘までの道と違い稜線は風が大変強いです。今回も、ホワイトアウトで丸山付近で帰り道が見つからず、レスキューされた方もいました。
・今回は天候が悪く、本来の魅力が伝わらないページになっています。しかし、冬山です。このページも一つの参考になると思います。

☆そこで、一週間前の天候のよい時に行かれたpuffpuffさんのページをご紹介します。
「稜線漫歩」のページから。西穂丸山。←これを見たら、どなたもきっと行きたくなることでしょう。

ルート図





西穂高口を出ると雪の世界。
予想通り11日は雪。


下山者と出会う。雪が気持ちいい。
スノーシュー、ストックも用意していたが、トレースがしっかりしており、つぼ足で行く。
スノーシューの活躍する場面はとうとうなかった。


先行者発見。トレースをつけてくれてありがたい。少しでも左右にずれると腰まで雪に埋まる。


美しい樹林帯 
この樹林帯のおかげで降雪時も気持ちよく登れる。


ゆっくり登るグループに追いつく。彼らのトレースのおかげで楽に登れた。
途中、私が先行し、キックステップを作った。
一時間少しで西穂山荘が白い空気の中からその姿を現した。 



 11日は天候がよくないのは分かっていた。喫茶室でのんびりしようと思っていると、私と同じ山口県から来られた「楓クラブ」の方々と出会う。
 「幻想的な雪山をめぐる」と題し、2月9日から12日にかけて、@上高地逍遥A厳冬の西穂山荘を基点として、雪と戯れるB乗鞍高原(善五郎ノ滝)を巡るという、盛り沢山な企画(白いロマンのワンダリング)。羨ましい9人グループ。私より少し年上と思われます?が、皆さん、明るく、ロマンあふれるとても楽しい方々。
 お酒(白波)もしっかりいただき、いい気分になりかけた時、9人のメンバーなのに8人しかいない。「どうしたの?」と聞くと、「リーダーは丸山に偵察に行っている」という。その時、ホワイトアウトの中、小屋のレスキュー隊の方に助けられた雪だるまの女性が運び込まれました。「途中一人の男性に会いませんでしたか?」「いいえ」。……急に「やばい!」気分。私はマジで、丸山に向かおうとした。……メンバーの一人がリーダーに携帯電話を入れると、小屋の部屋に戻っているという。一安心。

窓の外
(この日の登山客は約60名。多くの方々と語り合った。もちろん、「山について」)


テン場。
今の私にはできない。


タバコを吸うのは山小屋も同じ。
下界と同じです。
入り口の外です!!


左の写真は、この小屋入り口の穴の中(翌朝の写真から)。


2月12日6時の天気図(「HBC専門天気図アーカイブ」より)
この天気図なら、次第に良くなる!??!

12日、朝7:40。まだ、天候が良くならないと知りながら、独標をめざし登りはじめる。気温−12℃。



美しい!


一瞬、太陽を見る。
丸山への登りはハイマツ帯となり、風をさえぎるものはない。



丸山を過ぎた辺り。風が強くピッケルで体を支える。
風速約20m。体感温度は確実に−20度以下。しかし、これが気持ちいい!!
風が息をついている間に登る登山者。
のち、彼らのうちの誰かが小屋にSOSを発信することになる。


独標周辺はホワイトアウト。私は直ちに小屋まで戻る。
今行っても無駄!!もう少し後にまた登ろう!


小屋に戻り、コーヒーを一杯。チャンスはもう一度。
再び、丸山に行く。太陽よ!出ろ!

丸山でしばらく様子を見る。天候回復の兆しなし!!
下山決定。丸山で記念撮影。秋の西穂高岳の様子はこちら
結局、小屋に戻ると、
独標近くからSOSとのこと。小屋レスキュー隊は忙しい。
やはり、登っても展望が期待できないとき、人は登っては行けない!!
登山は楽しいものであるべきだ!



    下山し始めると一瞬青空が……。未練がましく帰る。
しかし、これ以上、良くならなかったらしい。
・本ページでは関係ありませんが、独標から西穂高岳山頂までは、冬季は絶対にベテランの方と一緒に!ザイル等も必要です。今回も単独行の方が小屋にSOS発信をしていました。小屋の方に大変迷惑です。
しかし、天気が良かったら、puffpuffさんのように素晴らしい景観を得ることができます。
なお、下山時は新穂高温泉バスターミナル横にある「アルペン浴場」へ(9:30〜16:00、年中無休)。
タオルや石けん等はありませんが無料で開放されています。荷物にはご注意を!
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